日赤セミナーで講師を務めました

日赤セミナーで講師を務めました

~「間に合う今だからできること」 命をつなぎ、想いをつなぐ~

2026年7月20日、三連休の最終日、大阪府行政書士会天王寺支部主催、日本赤十字社大阪府支部様ご協力のセミナーにおいて、「間に合う今だからできる 大切な人を守る遺言と人生会議」と題し、講師を務めさせていただきました。

セミナーは、まず日本赤十字社様の活動のご紹介から始まりました。

「なぜ、『救う』活動が始まったのか。」

その原点となるお話を伺い、人を救うとは、命だけではなく、その人の人生や大切な人との時間を守ることでもあるのだと、改めて考えさせられました。

また、日本赤十字社様の活動の一つである献血事業について、長年携わってこられた振興課課長様から、小児がんのお子様へ輸血が行われ、ご家族との時間を持つことができたというお話を伺いました。

輸血によって命がつながり、その結果、ご本人もご家族も、お互いの体温を感じながら過ごすことのできた時間が生まれた――。

その時間は、ご家族にとってどれほど大切で、かけがえのないものだったことでしょう。

命を救うことは、その先にある「大切な時間」をも「救う」ことなのだと、胸が熱くなりました。

私たちが元気で過ごせている「今」だからこそできる社会貢献の一つが献血です。

そのお話を伺いながら、「今だからできること」の大切さを、私自身も改めて感じました。


続いて私は、「間に合う今だからできる 大切な人を守る遺言と人生会議」と題してお話をさせていただきました。

猛暑の中、しかも三連休最終日にもかかわらずご参加くださった皆様は、大変熱心に耳を傾けてくださり、ご自身やご家族のことに重ね合わせながら聴いてくださっていることが伝わってきました。

途中では、簡単なストレッチもご紹介しました。

皆様が笑顔で一緒に身体を動かしてくださったことが、とても嬉しく印象に残っています。

「健康でいられる時間が、一秒でも長く続いてほしい。」

そんな願いを込めて、お伝えしました。


講演では、遺言書は「亡くなった後の書類」ではなく、争いを未然に防ぎ、大切な人を守るための予防法務であることをお話ししました。

そして、遺言書は財産を「残す」だけのものではなく、「活かす」こともできることをお伝えしました。

その方法の一つが、遺贈(いぞう)です。

遺贈とは、遺言書によって法定相続人以外の人や団体へ財産を贈ることです。

近年では、福祉・医療・教育などの分野や地域社会への貢献として、財産の一部を遺贈される方が増えています。

遺贈は、法定相続人以外への財産の承継であるため、遺言書がなければ実現することはできません。

また、一定の要件を満たす公益法人等への遺贈については、その財産が相続税の課税対象から除かれる場合があるため、社会貢献と相続税対策の両面から活用されることもご紹介しました。

自分の財産を未来の誰かのために役立てることも、遺言書が持つ大切な役割の一つです。

さらに、「付言事項」についても触れました。法的効力はありませんが、遺言書の末尾に書き入れる「想い」が、遺言書を予防法務と呼ばれる所以にもなることを例示を読み上げてご説明しました。財産の分け方の理由や、その根底にある家族への想いを書き添えることで、争いの種を摘むことができる事があります。


そして、人生の終わりに向けた備えは、遺言書だけではありません。

もし生前に自分の意思を伝えられなくなったときに備えて、

・どのような介護を望むのか

・終末期医療についてどのように考えているのか

・葬儀や埋葬についてどのような希望があるのか

その思いをライフプランノート(エンディングノート)に書き留め、ご家族や医療・介護に携わる方々と話し合っておくことの大切さをお伝えしました。

話すことが難しくなっても、「伝えておく」ことはできます。

そして、ご自身の意思や尊厳をより確実に守りたいと考えられる方には、「尊厳死宣言公正証書」という制度についてもご紹介しました。

人生の最期まで、自分らしく生きるための準備もまた、大切な人生会議の一つです。


講演の最後には、

「どうか、ご自身を大切にしてください。」

というメッセージをお伝えしました。

そして、資料とは別に、「花は咲く」の歌詞をお配りしました。

歌詞の中には、

「私は何を残しただろう」

という言葉があります。

そして、

「いつか生まれる君に」

「いつか恋する君のために」

という未来へ向けた言葉もあります。

私は、この歌詞に遺言書や人生会議と通じるものを感じています。

「花は咲く」。

花は、咲いて終わるものではありません。

花は実となり、種となり、風に運ばれ、またどこかで新しい花を咲かせます。

私たちの人生も同じではないでしょうか。

家族へ伝えた言葉。

注いできた愛情。

日々の生き方。

それらは、未来を生きる子どもたちや、その先の世代の心に残り、やがて新しい花を咲かせる種になります。

その種を未来へ託す方法の一つが、遺言書であり、ライフプランノート(エンディングノート)であり、人生会議(ACP)なのだと思います。

皆様がこの日まかれた一粒一粒の種が、ご家族の安心となり、未来へ受け継がれ、いつか美しい花を咲かせますよう、心から願っています。

今回のセミナーは、大阪府行政書士会天王寺支部主催、日本赤十字社大阪府支部様ご協力のもと、大阪市・コスモス成年後見サポートセンター大阪府支部様の後援を受け実現いたしました。その講師を務める機会を賜り心より感謝申し上げ、暑さに負けずにご参加下さった皆様に厚く御礼申し上げます。

そして何より、皆様がご自身を大切にし、健康で穏やかな毎日を過ごされますことを心よりお祈りしております。