近年、「おひとり様終活」という言葉が注目を集めています。少子高齢化や未婚率の上昇により、身寄りのない高齢者や、家族に頼らず最期を迎えたいと考える人が増えていることが背景にあります。自分の意思で人生の終焉を整える「終活」において、おひとり様は特有の課題と向き合う必要があります。本記事では、おひとり様終活の意義と準備すべきポイントを、士業の視点も交えて詳しく解説します。
目次
おひとり様終活の定義と必要性
「おひとり様終活」とは、配偶者や子どもなど頼れる身内がいない、もしくはあえて家族に負担をかけず自立した終末期を迎えたいと考える人が、自らの意思で最期の準備を進める活動を指します。医療・介護・葬儀・遺言などの分野において、自分の希望を明確にし、トラブルや不安を最小限に抑えることが目的です。特に、判断能力が低下した際に備えた「任意後見契約」や「尊厳死宣言書」などの法的手続きは、専門家のサポートが重要です。
身寄りがない人が直面するリスクとは
おひとり様が終活をしない場合、認知症などにより判断力が低下したときに誰にも相談できず、不本意な医療や介護を受ける可能性があります。また、亡くなった後の遺体引き取りや財産の管理、葬儀・埋葬に関する手続きが放置されるリスクもあります。これらを未然に防ぐためには、あらかじめ第三者に依頼できる体制を整えておくことが欠かせません。
任意後見契約と見守り契約の活用
おひとり様終活において最も重要な準備の一つが、任意後見契約です。これは、元気なうちに自分が信頼する人(後見人候補)と契約を結び、将来的に判断能力が低下したときに財産管理や身上監護を任せる制度です。併せて、任意後見が発効するまでの見守り契約や財産管理契約も組み合わせることで、より安心して暮らすことができます。行政書士や司法書士が、これらの契約書作成や公正証書化を支援します。
死後事務委任契約で“その後”を託す
自分が亡くなった後の手続きを誰にどのように託すかは、おひとり様終活の大きなテーマです。死後事務委任契約を結ぶことで、葬儀・納骨・住居の解約・行政手続きなどの事務を、信頼できる第三者に任せることができます。これにより、自分の意向を尊重した形で最期を迎えることができ、周囲に迷惑をかけずに済みます。士業者との契約で法的な裏付けを持たせることがポイントです。
遺言書の重要性と種類
おひとり様が遺産相続やペットの世話などに関して明確な意思を残すには、遺言書の作成が不可欠です。特に、法定相続人がいない場合は遺産が国庫に帰属する可能性があるため、遺言で遺贈先を指定することが望まれます。自筆証書遺言、公正証書遺言など複数の形式がありますが、法的に有効かつ確実に実行されるためには、専門家によるサポートを受けた公正証書遺言が推奨されます。
まとめ:おひとり様終活は専門家とともに安心の未来を築く一歩
おひとり様終活は、単なる備えではなく、自分らしい人生の締めくくりを自らデザインする前向きな行動です。しかし、法的手続きや契約書の作成には専門的な知識が必要なため、行政書士や司法書士などの士業と連携することが非常に重要です。早めの準備と、信頼できるサポート体制の構築が、安心して暮らし、人生の最期を迎えるための鍵となるでしょう。

