「生前整理」と聞くと、多くの方は家や物の片付け、財産の把握、エンディングノートの作成などを思い浮かべるかもしれません。しかし、遺言・相続の専門家である行政書士の立場から見ると、これらの中で最も重要で、そして本人の意思がはっきりしている“今”しかできない決定的な準備が「遺言書の作成」です。今回は、生前整理における遺言書の重要性を中心に、その背景と実務を分かりやすく解説します。
目次
生前整理の本質とは「未来の安心」をつくること
生前整理とは、単なる物の片付けではなく、人生の後半を安心して生き、そして死後に家族が困らないようにするための総合的な準備です。財産や情報の整理、人間関係の見直し、介護や医療の希望を記録するなど、多岐にわたる内容を含みます。その中でも重要なのは、「本人にしかできないこと」を見極めて、優先的に取り組むことです。
意思能力があるうちにしかできない最重要項目、それが遺言書
生前整理で最優先にすべきなのは「遺言書の作成」です。遺言は本人の“意思表示”によって初めて成立するため、意思能力(判断能力)があるうちにしか作成できません。つまり、将来認知症や病気などで判断能力が低下してしまった場合、その時点ではもう有効な遺言書を作ることができないのです。これは、遺言相続専門の行政書士として最も多く直面する、そして最も残念に感じる事例の一つです。
遺言書がなければ起こりうる相続トラブル
「うちは家族仲が良いから大丈夫」と考える方も多いのですが、実際には遺言書がないことで、相続人同士の認識の違いや感情のもつれからトラブルに発展するケースは少なくありません。遺産分割協議がまとまらず、手続きが長引くこともあります。遺言書があることで、相続の方針が明確になり、遺族は安心して手続きを進めることができます。
行政書士が支援する遺言書の作成
行政書士は、依頼者の意思を丁寧にヒアリングし、法的に有効な遺言書の文案作成をサポートします。特に遺言相続専門の行政書士は、財産の全体像を整理しながら、相続人の関係性や希望を踏まえた内容を提案できます。公正証書遺言の作成では、公証人との打ち合わせや証人の手配なども一括して支援でき、安心して任せることが可能です。
任意後見契約など他の準備も大切だが、まずは遺言から
生前整理には、任意後見契約やエンディングノートの作成なども含まれますが、これらは遺言書と比べて「後回しにできる部分」もあります。しかし、遺言書だけは本人の意思能力がある今しか作成できないという、時間的制約があります。つまり、生前整理を始める上で最も早く着手すべきは遺言書なのです。
まとめ:迷う前に、まずは遺言書。生前整理の第一歩を行政書士とともに
生前整理を考えるなら、まず最初に取り組むべきは「遺言書の作成」です。判断能力がある今だからこそ、自分の意思を正確に残すことができます。そしてその意思は、残された家族にとって大きな安心と指針になります。遺言相続専門の行政書士は、あなたの希望を法的に確かな形で遺すお手伝いをします。迷っているうちに時間は過ぎていきます。思い立った今が、生前整理のベストタイミングです。

