【2026年最新版】令和8年度税制改正で不動産相続対策はどう変わる?終活中の方が知るべき5つのポイント

【2026年最新版】令和8年度税制改正で不動産相続対策はどう変わる?終活中の方が知るべき5つのポイント

「不動産を買えば相続税が安くなる」──そんな常識が、令和8年度税制改正で大きく変わろうとしています。

2025年12月に発表された令和8年度税制改正大綱では、相続税対策の根幹を揺るがす重要な変更が盛り込まれました。

ダイヤモンド・オンラインの記事「『不動産で相続税対策』を国税庁が封じ込めへ!26年度の税制改正大綱で起きた大変化」でも大きく取り上げられたこの改正、終活を考えている皆さまにとって、決して他人事ではありません。

遺言相続専門の行政書士として、今回の税制改正が終活にどう影響するのか、そしてこれから何を準備すべきなのかを、わかりやすく解説します。


1. 令和8年度税制改正大綱とは?──国が目指す「公平な相続税」

税制改正大綱ってそもそも何?

税制改正大綱とは、毎年12月に与党が発表する、翌年度の税制改正の方向性をまとめた文書です。これが国会で承認されると、実際の法律として施行されます。

令和8年度(2026年度)の税制改正大綱は、2025年12月19日に公表されました。今回のテーマは「消費・投資の覚醒」と「公平の追求」。特に相続税・贈与税の分野では、「公平性」が強く意識された内容になっています。

なぜ今、相続税の見直しが必要なのか?

実は、これまでの相続税には「不公平」な部分がありました。

たとえば、1億円の現金を持っている人が亡くなった場合、その1億円は「1億円」として相続税が計算されます。しかし、同じ1億円で賃貸アパートを建てた場合、相続税評価額は5000万円程度になることもあったのです。

つまり、資金力のある人ほど、不動産を使って相続税を大幅に減らせる仕組みになっていました。これが今回、大きく見直されることになったのです。


2. 何が変わる?──5年以内に買った賃貸不動産は「時価評価」に

最大の変更点:相続開始前5年以内の貸付用不動産

今回の税制改正で最も注目すべきは、**「相続開始前5年以内に取得または新築した貸付用不動産は、時価で評価する」**というルールです。

これまでは、不動産の相続税評価額は「路線価」や「固定資産税評価額」をもとに計算されていました。この評価額は市場価格(時価)の70〜80%程度とされ、この差額が節税効果を生んでいたのです。

しかし改正後は、亡くなる前5年以内に購入・新築した賃貸用の不動産については、この優遇措置が受けられなくなります。

「タワマン節税」も「駆け込み購入」も通用しない時代へ

いわゆる「タワマン節税」や、相続が近づいてから慌てて不動産を購入する「駆け込み節税」は、今後は効果が期待できなくなります。

国税庁は、「不動産を使った過度な節税」にストップをかける姿勢を明確にしたのです。

対象となるのは「貸付用不動産」

ただし、すべての不動産が対象ではありません。今回の改正で時価評価の対象となるのは、賃貸アパート、賃貸マンション、貸駐車場など、賃貸収益を目的とした不動産です。

自宅として住んでいる不動産や、事業で使っている不動産(店舗・工場など)は、この改正の対象外です。


3. 他にも影響大!──教育資金一括贈与の終了と不動産小口化商品の見直し

教育資金一括贈与の非課税制度が令和8年3月末で終了

お孫さんの教育資金として、最大1500万円まで非課税で贈与できる「教育資金一括贈与の非課税制度」。この制度の適用期限が令和8年(2026年)3月31日で終了します。

これまで延長を繰り返してきたこの制度ですが、今回は延長されず、終了が決定しました。お孫さんへの教育資金の贈与を検討している方は、早めの対応が必要です。

不動産小口化商品の評価も見直しへ

不動産小口化商品(不動産を小口に分けて販売する商品)についても、評価方法が見直されます。これまで相続税評価額が低く抑えられていた商品も、今後は適正な評価がされるようになります。


4. これからの相続対策はどうすればいい?──終活で大切な5つの視点

①「時間」を味方につける

今回の改正で明らかになったのは、「駆け込み対策は通用しない」ということです。

逆に言えば、5年以上前から計画的に準備すれば、不動産を活用した相続対策は今でも有効です。終活は、亡くなる直前ではなく、元気なうちから始めることが何より大切です。

②不動産だけに頼らない

不動産はあくまで相続対策の「一つの手段」です。生命保険、生前贈与、遺言書、家族信託など、さまざまな選択肢を組み合わせることで、より柔軟で効果的な対策が可能になります。

③「小規模宅地等の特例」はまだ使える

自宅や事業用の土地には、**「小規模宅地等の特例」**という大きな減額制度があります。この特例を使えば、自宅の土地は最大80%減額されます。

今回の税制改正でも、この特例は維持されています。自宅や事業用地をお持ちの方は、この特例をしっかり活用しましょう。

④家族でしっかり話し合う

相続対策の本質は、「税金を減らすこと」ではなく、「家族が揉めずに、円満に財産を引き継ぐこと」です。

どんなに節税しても、家族が争ってしまっては意味がありません。終活では、財産の内容を整理し、遺言書を作成し、家族と話し合うことが最も重要です。

⑤専門家に早めに相談する

税制は複雑で、しかも毎年のように変わります。ご自身だけで判断せず、相続に詳しい行政書士、税理士、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

特に、遺言書の作成や相続手続きは、行政書士の専門分野です。お気軽にご相談ください。


5. 終活は「家族への愛情」の形

今回の税制改正で、「不動産を買えば相続税が安くなる」という単純な図式は通用しなくなりました。

しかしこれは、決してネガティブなことではありません。むしろ、「本質的な終活とは何か」を考え直す良い機会だと、私は思っています。

終活とは、節税テクニックを駆使することではありません。

・自分がこれまで築いてきた財産を整理すること
・家族が困らないように、遺言書を残すこと
・お世話になった人への感謝を形にすること
・そして、自分らしい人生の終わり方を考えること

それが、本当の終活です。

税制が変わっても、変わらないもの──それは、「家族を想う気持ち」です。

あなたの大切な財産を、あなたの想いとともに、次世代へ。
そのお手伝いをさせていただくのが、私たち相続専門行政書士の役割です。


まとめ:令和8年度税制改正を踏まえた終活のポイント

  • 相続開始前5年以内に買った賃貸不動産は時価評価に
  • 教育資金一括贈与の非課税制度は令和8年3月末で終了
  • 駆け込み節税は通用しない。計画的な準備が必要
  • 不動産対策はまだ有効。ただし時間をかけて
  • 小規模宅地等の特例は引き続き活用できる
  • 相続対策の本質は「家族の円満」。専門家と一緒に考えよう

税制改正は毎年行われます。だからこそ、「今」から終活を始めることが大切です。

遺言書の作成、財産目録の整理、相続税の試算、家族信託のご相談など、終活に関することは何でもお気軽にご相談ください。

あなたとご家族が、安心して未来を迎えられるよう、全力でサポートいたします。


参考記事

ダイヤモンド・オンライン「『不動産で相続税対策』を国税庁が封じ込めへ!26年度の税制改正大綱で起きた大変化」

2025年末に発表された、2026(令和8)年度「税制改正大綱」によって、不動産評価の抜本的見直しの「第二の波」が押し寄せてきた。この「第二の波」で、「不動産」…
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